ニートアイランド現象
ほとばしるいじめてオーラをエコロジー路線で活字にするための徒然。短めのを載せてみたりします。長いのは暖め中。

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真二ートの世界(1)
アイドル画像の掲示板を巡回する。クリック。別ウィンドウで表示。画像を保存。繰り返し。
 クリック。クリック。画像を保存。
 窓の青色カーテンは締め切ったまま、パソコンの画面の青白い光だけが室内暗黒に光る四角星となって、存在を照らしてる。僕は昼夜夕晩永遠とその燐光じみた熱源ウィンドウを見つめて、マウスに指を這わせる。ピクチャの情報を操作しフォルダに収納してゆく。
 画像を保存。窓のカーテンは閉ざされている。
 これが世界。よし。
(次は二次元のピクチャを探そう・・・・・。)
 冷たい衝動が、偶像に満たされたいという欲望が、僕の指を突き動かすっ。カタカタ。
 そして長い偶像収集の後、意識はぶっつり。また一日が終わる。

「いってきます」「いってくる」
 おとんとおかんの声で目を覚ました。朝夕に影響されないのと、日が当たらない部屋なためか、この室内は時間の感覚が無かった。だからおとんとおかんの声を常日頃、目覚ましにしていた。「いってきます」が朝。「ただいま」は夕方から晩方。
 二つの時刻の区切りだけで十分な一日のサイクル。太陽氏に申し訳ないと思いつつ今日も画像を保存。
朝ごはんは部屋のドアを開けた外の床に添えられていた。お盆の上に主食主菜よりどり具沢山だ。わざわざ部屋の外にそっと置かれているのは僕がドアにカギをかけているため。光の一切も入り込まない密閉された空間が好きだった。
それでも、晩御飯のときだけは一階に降りて両親と食事をする。両親は仕事の悩みとか、人間関係とかニュースの話を僕にしてくれる。別段、人の話を聞くのは嫌いじゃないから、朗らかを装って相槌す。「うん」とか空返事じゃなくて、ボキャブラリーを駆使して返事をする。
「なんだかお前といると人間と話してるって感じがするよ・・」
おかんが言った。
(そんなことないのにね・・)
僕は仕事もせず食わせてもらってる駄目な子なのに。なんでほめるんだよって、怒鳴り返したくなるけど、いい子を装っていたいから、狡猾に円滑に両親の安らぎそうな言葉をかけてやる。そして晩御飯を食べ終わるとまた階段を上がって部屋にこもり電波の受信に勤しむ。当たり障りない感覚の薄れる生活だった。学名「だらだらとした永遠」だった。クリック。睡眠。

 幾年月秒かが過ぎた日。目を覚ますとクーラーが止まっていた。空調がそぐわないためか汗がびっしょり、肌にこびりついていた。
クーラーが効いてないため快適に引き篭もれない温度になってる。
久しぶりに窓を開ける必要があるように思えた。
現世と僕の部屋を隔絶する布きれ一枚を払って、外のすがすがしい風を浴びてもいいかなという気分にもなった。
 学名「だらだらした永遠」のもとで締め切っていたカーテンを開けることにした。
 布地を掴んでシャラァンってね。カーテンの解かれる音が心地いいっ。
 光が射しこんだ。
窓の向こうに果てなく悠然と続く焼け跡の景色が射しこんだ。セミの住む木々も交差したハイウェイも開発途中のビルも公園も彩りを成す建物も皆、潰されて赤茶けた荒野へ帰結してしまっていた。灰となって地面の糧となって空気に昇華されてしまった。少し目を疑った。冗談だと思った。
「いってきまーす」
 おかんが言った。どこにいくのだろうかは、僕には想像もつかない。
「いってきます」
 おとんも出かけた。そして、二人が帰ってきたら、またいつものように晩御飯を食べるのだろうと思った。パソコンを開いた。インターネットはあいかわらず繋がったままだった。再び、画像の収集を開始する。
 幸せなんだ。カーテンの向こうがどうなっていようとこの家さえ無事ならそれで世界は平和なのだ。そう自分を納得させると先ほどの廃景が冗談に思えた。何も不安なんて無い。
そして僕はマウスを取る。
クリック・・。
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