ニートアイランド現象
ほとばしるいじめてオーラをエコロジー路線で活字にするための徒然。短めのを載せてみたりします。長いのは暖め中。

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一人前
一人前になりたいとブーンは考えていた。それすなわちプロ、黒帯、一級。なんの、一人前かは他人には明かしてないけれど、とにかく、○○の一人前に成りたかった。
ブーンは○○を初めて3年になるけど、一向に一人前になる気配を感じていなかったのだった。
 もちろん、実力が伸びていることは自覚しているし、自分がわずかな才能をもった凡人であることも、しんみりと実感できるくらいには修行を積んだつもりでもいた。だからこそ焦りが募って、早く早く、開花させたいとか思ったりもう駄目だってあきらめたりしていた。
 考えれば考えるほど、もしかしたらこのまま芽が出ずに路傍の石ころのまま碌々と無為な人生を生きるのではないか、自分のリミットはここまで才能の限界に達してしまったのではないか、なんて思ってしまうのだった。プラス思考プラス思考・・・。
「プラス思考なのに・・・」
 ブーンは頭を抱えた。同時にふにゃあーとふとんに寝転がってしまう。頭の中が、くるくると回ってミキサーをかけられたように、脳内物質だけで酩酊してゆく。なんか汁がでてくるような感覚と、小難しいコトバが螺旋になって現実感を鈍らせてゆく。目の前の景色ははるか彼方にひきのばされ、ブーンは現実の間に自分の創造の領域を構築する。
 ぐるぐるとブーンは考える。
 視点を変えて、カタチを失って、ブーン自身さえあたふやなその世界を廻り、ねじれて、マーブルの、ジグザグの、それでいてつじつまを合わせる、論理、コトバが混ざる。
 ふと、混じりけのない真っ白な声が、ひらめきのような希望のようなもやが、胸に、ちいさく木霊した。
「ああっそうだったんだよっ」
ふとんに突っ伏していたブーンは、はっと目を見開き、勢いを付けて立ち上がると冷蔵庫に向かって走り出した。一挙動で牛乳をパックごと飲み干し。
「きた」
一秒。二秒。
「きたきたきた」
 もういちど、ごくごくと牛乳を飲み、パックの間からいくらかこぼして
「あー、なんでやっ」
 またせわしなく雑巾をとりにどたどたと駆けた。今度はドアの端っこに小指をぶつけて、その拍子に足の裏についた牛乳に滑って前のめりに転み、声にならないほどに悶えて・・・
「でも、俺は、天才なんだ・・・この○○さえあれば・・・一人前どころか、へへっ・・」
そうしてブーンはしばらく仰向けのまま動かなくなった。何秒かが経って
「へへへっ」
また気持ち悪い笑い声を発して、牛乳を拭くために足を引きずりながら雑巾をとりに歩いたのだった。
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